徹底分析シリーズ 産科麻酔のControversies:帝王切開術の麻酔法の常識に迫る!
全前置胎盤の帝切は全身麻酔で行う!?
西迫 良
1
,
奥富 俊之
1
Ryo NISHISAKO
1
,
Toshiyuki OKUTOMI
1
1北里大学病院 総合周産期母子医療センター
pp.318-321
発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100625
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手術申込書に「前置胎盤」と書かれていただけで全身麻酔を選択する施設が存在する。しかし,いざ麻酔管理を行ってみると出血が500mL以下だった,という経験も多いのではないだろうか。前置胎盤は,産科出血疾患のうち唯一術前に大量出血が予想可能な疾患であり,十分な術前計画があれば十分対応可能なことが多い。つまり,「前置胎盤の診断→自己血貯血開始→術前の産科とのカンファレンス→手術方針決定」といった流れで周術期計画が準備され,そのなかで麻酔管理を計画することが可能である。われわれの施設では,前置胎盤,癒着胎盤の周産期管理のプロトコールを作成し,出血量を減少させる努力を行ったうえでほとんどの症例で脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔(CSEA)にて麻酔管理を行っている。
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