徹底分析シリーズ 輸液管理:病態と輸液剤の選択
熱傷患者の輸液管理:病態変化を見きわめ,二手,三手先を見据えた対応を
玉田 尚
1
,
小泉 健雄
1
,
山口 芳裕
1
Nao TAMADA
1
,
Takeo KOIZUMI
1
,
Yoshihiro YAMAGUCHI
1
1杏林大学医学部 救急医学教室
pp.130-136
発行日 2009年2月1日
Published Date 2009/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100587
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1970年代以降,熱傷創の早期切除術が施行されるようになり,重症熱傷患者の死亡率は著しく低下した。これは熱傷患者の死因の多くが重症感染症による多臓器不全であり,早期の壊死組織切除と創閉鎖が感染症の発症防止に有効であったからである。さらに最近では,超早期手術を選択する施設もある。だが,重症熱傷患者では局所の損傷のみならず,全身に影響が波及し,いわゆる「熱傷ショック」が生じるため,救命のためには,まず,ショックから離脱せねばならない。熱傷治療において初期輸液がきわめて重要となる理由がここにある。
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