徹底分析シリーズ 動脈穿刺/動脈圧測定(総論)
動脈カテーテル・動脈圧測定の適応:正確な動脈圧測定のための理論と実践
渡辺 廣昭
1
Hiroaki WATANABE
1
1札幌医科大学医学部 麻酔学講座
pp.630-634
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100355
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
手術室や集中治療室などで動脈カテーテルを留置し患者管理を行う機会は多い。しかし,残念ながら世界中のほとんどの施設では,圧測定回路の周波数特性により歪められた血圧波形を正しい波形として観察しているのが現状である。
動脈にカテーテルを入れて直接血圧測定をしているので正しい圧をみていると思うのは無理もないが,圧トランスデューサまでの間で共振の影響を受けて多くは尖った波形となるため,収縮期圧は高く表示されてしまう。
「観血的血圧と非観血的血圧(オシロメトリック法)の値が異なる場合はどちらを信じたらよいか?」という質問がよくなされる。実際のところ観血的血圧は絶対的圧と信じられやすいが,非観血的圧のほうが心臓の圧を反映するためより信頼される圧となっている。観血的血圧は容易に修飾されるので,その特性を理解したうえで,臨床における重要な武器として観血的血圧測定を行わなければならない。
Copyright © 2007, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.