徹底分析シリーズ 動脈穿刺/動脈圧測定(総論)
巻頭言
鈴木 利保
1
1東海大学医学部外科学系診療部 麻酔科
pp.629
発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100354
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- 文献概要
末梢動脈内にカテーテルを留置し,圧トランスデューサに接続して連続的に圧を測定する「観血的血圧測定」は,急激な血圧変化が予測される場合や頻回の動脈血ガス分析が必要な症例にきわめて有用である。近年,手術室やICU,救急医療の現場においてこの方法はほぼルーチン化されており,適応頻度も多く,研修医が会得しなければならない手技の一つとなっている。一見簡単そうなこの手技にも,多くの注意すべき合併症や問題点があるが,ほとんどの教科書には詳細な記載がない,というのが現状であろう。
そこで本徹底分析シリーズでは動脈穿刺とカテーテル挿入をテーマとし,成人や小児の橈骨動脈穿刺のコツと注意点,ガイドワイヤー付き動脈留置カテ-テルの有用性と問題点について,基礎的事項から新しい知識まで,考えられるすべてを取り上げた。本号は総論として,①動脈圧測定の原理,適応,②術式別の穿刺部位と合併症,③動脈カテーテルの挿入と感染管理,④動脈カテーテルに必要な解剖,⑤穿刺器材からみた動脈留置カテーテルの特徴を取り上げた。読者にとってこの企画が,明日の臨床のヒントになれば幸いである。
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