検査データを考える
汎血球減少症
奈良 信雄
1
1東京医科歯科大学医学部臨床検査医学講座
pp.375-379
発行日 1999年4月1日
Published Date 1999/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906614
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はじめに
汎血球減少症とは,血球成分である赤血球,白血球,血小板のいずれもが減少した病態をさし,単一の疾患を意味するわけではない.
白血球が著しく減少すると重症の感染症を引き起こし,血小板が高度に減少すれば脳出血や消化管出血など出血傾向を発症する.いずれも致命的になることがあり,汎血球減少症は危険な状態といえる.このような汎血球減少症をきたす原因疾患は,表1に示すように種類が多い.しかも再生不良性貧血や急性白血病など,極めて重症の疾患が含まれている.
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