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from LISA
pp.653
発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100132
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- 文献概要
■80歳になる母親の話です。とても記憶力がよかった母なのですが,最近とみに物忘れが激しく,いささか消耗させられております。お湯を沸かすために薬罐に水を入れ,そのことを忘れてしまい空だきさせてしまいました。耳が遠くなってきており,沸騰してもその音に気がつかなかったということもありますが,やはり忘れたのが原因です。そこで,火事が怖く,空だき防止機能付き電気式ポットをプレゼントしたわけです。しかし,お茶を飲むのには相変わらず薬罐でお湯を沸かします。何のためにポットが食卓にあるのか,その説明をすると,納得はするものの,どうも今一つ理解してもらえないのか,空だきして薬罐が汚くなってしまった話をしながら台所に向かいます。で,お湯はポットで沸かすようにと説明を改めてするわけです。そうすると,このポットどうしたのかしらと言うものですから,説明をさらにもう一度。すると,薬罐を空だきで汚くしたが,使えるので捨てられないのよ,と台所に行こうとします。これでは,まるで落語『蜘蛛駕籠』,「あら熊さん~」の酔っぱらいの客…。
もっとも,物忘れはなにも母に限ったことではなく,私自身についても言えること。メガネを頭にのせておいてメガネはどこだと探す笑い話,まさにそれ以上。ある時は,メガネをしているにもかかわらず,メガネを探してしまいました。もう一つのメガネをかけようとしてはじめてメガネの存在に気づきました。これは,度が合っていないからだと言い逃れはできそうです。しかし,本を読むのに外したメガネ,どこに置いたのかがわからなくなり,あちこち探す始末。やれやれです。
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