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■昨年末,十数年乗っていた車が全損という事故にあいました。いきなり目の前に車が飛び出してきたのですから,止まることもよけることもできずに,ぐしゃ。けが人がなかったのが幸い。で,事故後の処理を含め販売店に行き,新たに車を購入することになったのです。エコ減税でハイブリッド車が注目を浴びてはいるものの,私の選んだのはガソリン車。それでも,10年前のものに比べると,燃費は格段によいのは驚き。さらなる驚きは,キーを差し込みエンジンをスタートさせるのではなく,ボタンを押すこと。さらに,運転席の左側にサイドブレーキがない。これもボタン式。スタートも,サイドブレーキを解除する必要はなく,そのままアクセルを踏めばよいだけ。これはとても不安で,つい左手があるはずがないサイドブレーキを探してしまうことがまだあります。10年一昔とはいえ,その変化,進歩には驚きです。
さらなる驚きは,ナビシステム。これが優秀なのですが,4か月がたった今も使いこなせないのは,週末にしか運転しないこと以上に,そのマニュアルを読むのが一苦労なため。まあ,単純な使い方しかしていないので,さして不自由はないのですが,ナビのもつ能力を十二分に使用できていないのはしゃくに障ります。知った道でも使おうとするのが間違いなのでしょう,そのたびに,ナビとの葛藤が生じます。いろいろな道を試し,これが最良と信じて走っていた道順が無視されると,結構ストレスになります。で,ナビに従うと,ルートの全体像がわからず,曲がれという角がどこなのか,不慣れな道故不安になります。ということで,ナビの画面に釘づけに。前方不注意の時間が結構あり,冷や汗もの。疲れます。そのうえ,目的地に着くと,アイドリング時間がどうの,スタートが悪いだのと,運転を評価される。疲れは増します。
疲れを増すものがもう一つ,運転中のアラーム。これも驚きの進歩。車がふらついたり,人や車にぶつかりそうになると,車に搭載されたステレオカメラで危険を感知し,アラームで知らせてくれるシステム。ここのところ,いろいろな車で同じようなシステムが紹介されています。でもこのシステム,結構条件つきです。霧や逆光の場合は,人の目と同じであてにならない,との説明。そんなときにこそ機械に頼りたいのに…。障害物を認識して誤発車を防止してくれるほどのステレオカメラなら,例えば山道,その道幅が通行可能かどうか判断してくれてもよいのに,そうしたことは無理。このシステム,まだまだ発展途上。あくまでも,安全運転をサポートする補助システムです,とディーラーには念を押されましたっけ。で,「ピィコ,ピィコ」いっても,まあ無視するのですが,やはりアラームが鳴ると,その理由が気になり,コックピットを眺め,前方への注意力がどうしても散漫になります。
ということで,目的地までつつがなく運んでくれるカーナビと,安全のためのシステムが,私に限っていえば,その安全を脅かしているのが現状。まあ,何ごとも,中途半端に頼るのがいけないのでしょう。機械は使うもので使われるものではない,ということ。
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