症例検討 モニタリングをめぐるトラブルとその対処法3
動脈カテーテル:橈骨動脈にカテーテルを入れて観血的血圧測定をしていたが,圧波形は出るのだが採血できない。
器材の特徴を理解し,トラブルに対処/動脈穿刺/動脈圧測定の必要性と可能性を考慮して再挿入を
松本 晶平
1
,
小澤 拓郎
1
,
槇田 徹次
2
Shohei MATSUMOTO
1
,
Takuro OZAWA
1
,
Tetsuji MAKITA
2
1東京医科大学医学部 麻酔科学教室
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 展開医療科学講座(麻酔・蘇生科学)
pp.474-477
発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100108
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日々行っている観血的動脈圧測定であるが,種々のトラブルに遭遇することも少なくない。圧波形は出ているが,血液の引けが悪いことは,臨床でしばしば遭遇するトラブルである。動脈ラインをとるときは,麻酔導入が終了し,術者が今か今かと手洗いのタイミングを見計らっているときが多い。若い麻酔科医とみればあからさまにプレッシャーをかけてくるケースもある。それに打ち勝ってせっかくとれたと思った動脈ラインの調子が悪いと,精神的にもダメージが大きい。以下,トラブル対処法を二つのケースに分類して考える。
通常は,動脈ラインを挿入直後に血液を吸引し,エアー抜きを行う。この後にトランスデューサを接続して圧波形を出すことになる。したがって,今回のトラブルの大前提として,挿入直後は血液が吸引できたものとする。
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