徹底分析シリーズ 酸素:でも,酸素は薬?毒?
酸素毒性と高圧酸素療法
趙 成三
1
,
澄川 耕二
1
Sungsam CHO
1
,
Koji SUMIKAWA
1
1長崎大学医学部 麻酔学教室
pp.344-349
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100072
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19世紀に減圧症の治療に再加圧が用いられたのが高圧療法の始まりである。長期にわたる科学的沈滞があったが,20世紀後半に至って,血液ガス分析やガス交換に関する生理学の進展により,高圧酸素療法hyperbaric oxygen therapy(HBOT)がさまざまな治療法に応用されるようになった。一方では,酸素を発見したPriestlyが「ロウソクのように,酸素により人間の寿命も早く燃え尽きてしまうかもしれない」と酸素による生体への危険性を示唆したように,HBOTには酸化ストレスによる酸素毒性の危険性が伴うため,その適切な運用を理解することが大切である。
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