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from LISA
pp.219
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100045
- 販売していません
- 文献概要
■今度は,再生紙の古紙配合率偽装の発覚です。食品の偽装が羊頭狗肉であるならば,今回はその逆,犬頭羊肉。それだけに,契約よりもよい品質のものを作っていた,と罪悪感の薄い製紙会社社長もいるとか。偽装しなければならなくなった背景には,顧客のより白さを求める要望があるようです。しかし,求められている古紙の配分量では技術的に品質と両立できなかった。ならば,素直にできないと言えばよいところを,それが言えないのが日本的なのでしょう。白骨温泉の事件を思い出します。特徴の乳白色の湯がでなくなってしまったため入浴剤を入れた事件。温泉の質は問題なし,「ただ,乳白色を楽しみにきてくれる人をがっかりさせたくないという心遣いがあったのだ」と噺の枕にも使われていました。
もう一つ。「消費者自体も安いものばかり求めるから」と発言し,豚肉や鶏肉を混ぜそれを牛ミンチ肉として販売したミートホープ社長はマスコミからたたかれました。でも彼は,偽の牛ミンチ肉を作り,船場吉兆のように高く売ったのではなかった。もし彼が最初から,くず肉でも工夫すれば牛肉並みの味は出せるのだぞと,「牛もどき」として発売していたなら(もちろん,衛生面の管理はちゃんとしてということですが),肉に精通したさすがプロだと,その筋には賞賛されたことでしょう。でも,品質はそのままで,安く求めようという消費者からは,はたして受け入れられたかどうか。一流品といわれるものが高いのにはちゃんとした理由があるはずなのですが…。
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