特集1 救急医療のリベラルアーツ 各国の社会事情に向き合う救急医
【コラム1】紛争が続く国:国境なき医師団による災害・戦時下の医療援助
中嶋 優子
1,2,3
Yuko NAKAJIMA
1,2,3
1国境なき医師団日本
2Department of Emergency Medicine, Emory University
3Metro Atlanta Ambulance Service
pp.800-803
発行日 2025年3月25日
Published Date 2025/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.275835970020060800
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高校2年生のとき,何気なくテレビを観ていた。たまたま目にした「国境なき医師団」の活動は,その果敢なカッコよさで私に衝撃を与えた。そして無謀にも私は医学部を目指すと決めた。
その後の,国境なき医師団に登録するまでの紆余曲折と,海外派遣の経験を積み重ねていく過程で身につけていった,医療資源の乏しい紛争地域や戦禍のただ中で必要となる現場力,そして現地の人々について,いくつかの体験をもとにご紹介する。救急医がその力を発揮できる,このような世界も存在するのだ。

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