特集 令和時代の循環器薬の使い方—処方の意図と治療戦略
序文
令和時代の循環器薬の使い方—処方の意図と治療戦略
木田 圭亮
1
1聖マリアンナ医科大学薬理学
pp.332-333
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232840730030332
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循環器治療はこの数十年で飛躍的な進歩を遂げ,薬物療法も例外ではありません.近年の分子標的薬や生物学的製剤の登場,さらにはSGLT2阻害薬に代表される多機能薬剤の登場により,私たちの処方戦略はより複雑かつ精緻なものとなりました.エビデンスに裏打ちされたガイドラインの更新は日進月歩であり,これを臨床の現場に即した形でどう活かすかが,今まさに問われています.一方で,多様な患者背景,合併症,加齢に伴う身体的・社会的課題などを前に,医師の“さじ加減”や“処方哲学”が改めて見直されています.
こうした背景のもと,本特集では「令和時代の循環器薬の使い方—処方の意図と治療戦略」と題し,各専門領域の第一線で活躍される先生方にご執筆をお願いしました.虚血性心疾患,不整脈,心不全・心筋症,腫瘍循環器,そして高齢社会や補完代替医療(CAM)としての漢方薬まで,全5章・20テーマにわたり,多様な観点から現代の薬物療法を総覧します.

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