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特集 急性冠症候群(ACS)から心臓と生命をまもる
Editorial
Editorial
中川 義久
1
1滋賀医科大学循環器内科
pp.4-5
発行日 2025年1月1日
Published Date 2025/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.243232840730010004
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急性冠症候群(ACS)は,急性心筋虚血に由来する臨床病態を指し,ST上昇型心筋梗塞(STEMI),非ST上昇型心筋梗塞(NSTEMI),不安定狭心症(UA)が含まれる.ACSの中でもSTEMIは死亡率が高く,世界的には人類の死因の第一位の急性疾患である.夜間・休日を問わず治療にあたる日本の循環器内科医の献身的な努力にもかかわらず,残念ながら現在もなおACSで命を落とす患者が存在する.その多くは発症後短時間の死亡であり,改善が強く望まれる.
ACSが疑われる場合,最初のトリアージと評価が重要である.患者の病歴と身体所見,心電図,X線検査や画像診断,心臓バイオマーカー検査を迅速かつ十分に評価することが正確な診断を可能にし,治療の指針となる早期のリスク層別化を助ける.初期評価に基づいて,早急な侵襲的治療が必要かどうかを決定する.STEMI患者には速やかに冠動脈インターベンション(PCI)が必要である.
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