Japanese
English
特集 酵素と生物
綜説
光合成—酵素化学的研究
Photosynthesis
藤茂 宏
1
Hirosi Huzisige
1
1岡山大学理学部生物学教室
1Department of Biology, Faculty of Science, Okayama University
pp.196-206
発行日 1957年10月15日
Published Date 1957/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905962
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1.まえがき
栄養・生長・運動をはじめとして生物のいとなむすべての活動のエネルギーの源泉を辿ると太陽エネルギーに帰せられる。すなわち,光合成を行う生物によつて光のエネルギーが固定され,CO2と水とから炭水化物をはじめとして大部分の有機物が合成される。それを草食動物が食物とし,更に肉食動物がそれを食べるという工合に食物連鎖を形成している。
このようにすべての生物の生存に重要な意義をもつ光合成過程がどのような反応段階から成り立つているかということは魅力ある問題として古くから多くの学者によつて研究されてきた。それにより現在までに数多くの知見が積み上げられ,次第にその複雑極まる機作のアウトラインが判明するに至つた1)が,enzyme levelでの解析は極く最近までほとんど進展しなかつた。
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