Japanese
English
諭述
電気睡眠
On the sleep response electrically induced
岩瀨 善彦
1
Yoshihiko IWASE
1
1北海道大学応用電気研究所,生理部門
1Physiological Laboratory, Research Institute of Applied Electricity, Hokkaido University
pp.352-360
発行日 1956年8月15日
Published Date 1956/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905903
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I.緒言
電気的方法によつて人間,動物に麻酔或いは睡眠を起し得ないか。1800年代感電に際し麻酔状態が見られたと云う事実から電流を頭部に通電して電気麻酔を得る試みが行なわれた。その後大脳や神経系に対する各種電流の被刺戟性に関する生理学的知見1)の発展が著しい。従来睡眠は求心性刺戟の減弱(Kleitman2))や条件反射時の内制止(Pavlov3))により大脳皮質の抑制で説明された。これに対しHess4)は皮質下の刺戟による睡眠中枢の概念を提出した。併しながら麻酔と睡眠の生理学的基礎は現在の所未だ確定されているとは云い難い。
茲に於て従来の経験的立場より離れ大脳の刺戟生理及び睡眠中枢説に基づいて電気的方法による睡眠と麻酔を得んとする可能性が裏付けを持つに至つた。
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