最近の検査技術
二波長測光法
内藤 茂昭
1
,
高畑 藤也
2
1日立製作所計測器事業部理化学機器部
2日立製作所那珂工場光装設部
pp.761-766
発行日 1976年10月1日
Published Date 1976/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201181
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吸光光度法はBeerの法則に従う試料を対象とするもので,必然的に試料に濁りがないことが前提となり,更に共存物質の影響をいかにして化学的にマスキングするかを命題として組み立てられている.臨床化学検査においても,それぞれの分析法の特徴は,血清という多成分系の中からいかにして目的物質のみを選択発色させ,共存物質の影響を除去するかにあるといっても過言ではない.
1951年にペンシルバニア大学のBritton Chanceにより二波長測光法が開発され,特に生化学分野でよく取り扱われる生体試料の濁りによる光散乱の影響を装置的にマスキングする糸口をつかんだ.その後の種々の研究により,二波長測光法が臨床化学検査で大きな効果のあることが数多く報告され,最近では臨床検査用光度計や自動分析装置,レイトアッセイ分析装置などに本方式が多く採用されるに至っている.
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