Japanese
English
報告
ヒスタミンの新定量法
A New Method for the Quantitative Determination of Histamine
堀内 和之
1
Kazuyuki HORIUCHI
1
1千葉大學醫學部藥理學教室
1the Department of Pharmacology, School of Medicine, Chiba Univrsity
pp.89-95
発行日 1953年10月15日
Published Date 1953/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905743
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
まえおき
私共の教室では抗Histamine劑に關して研究を續けて來たが,その藥理作用を究明するためには生體内のHistamine代謝と併せて考えて行く必要がある事は云うまでもない。また近年來諸種藥物による組織よりのHistamine遊離の事實が續々と發表されるにつけても,これら興味ある實驗を行う手段たるべき遊離Histamineの定量方法が先ず問題となつて來る。
つまり,生體内に存在しているHistamineには遊離の状態のものと結合の状態のものとの二種類があり,藥理學的生理學的に能動なのは遊離のもののみであると云う事がわかつている。而もその量は生體の環境によつて變化するものであるが總量は常に極めて微量であると云う事から,その定量方法は特異性に於ても鋭敏度に於ても優れている事が望ましいのである。そこで私は遊離Histamineの定量に關して諸種の基礎的な實驗を行つた結果,Ion交換樹脂,Paperchromatographによる分離とモルモツト摘出腸管法による定量とを組み合わせる事によつて,ある程度上記目標に近づき得たかと思われるので,これについて記し檢討してみた次第である。
Copyright © 1953, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.