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報告
イソニコチシ酸ヒドラシツトの2,3酵素作用,特にビタミンB6の關與する酵素系に對する影響について—インニコチン酸ヒドラシツトの作用機作に關する一考察
Inhibitory Effect of Iso-nicotinic Acid Hydrazide on Some Enzymic Activities, Especially Relating to Vitamin B6
米田 正彦
1
Masahiko YONEDA
1
1名古屋市立大學醫學部細菌學教室
1Dept. of Microbiology, Nagoya city University Medical School
pp.176-179
発行日 1953年2月15日
Published Date 1953/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905699
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Isonicotinic acid hydrazide(INAHと略稱)が,結核菌に對してのみ特異の抗菌力を有し,他の微生物に對しては殆んど抗菌力を示さないことは,從來の報告で屡屡いわれている1-3)。從つて,INAHの作用機作に關する研究が,主として結核菌を中心として行われているのは當然のことと云えよう。併しながら,現在のところ,そのような研究業蹟の數そのものが甚だ少く,而もこの菌のどの代謝系乃至酵素系に對してINAHが特異的に作用するかについで,はつきりとしたデータを示した報告を,寡聞ではあるが筆者はまだみる機會を得ていない。とはいうものゝ,數少い報告のうちで注目されるのは,本邦における海老名氏4)ら,堂野前氏ら5)によるものであろう。海老名氏らは,INAHがBCGのendogeneous respiration及びasparaginase作用を著明に抑制する事實を見出し,堂野前氏らは,類似構造による拮抗作用という觀點から,INAHがカボチヤから抽出したglutamic acid decarboxylase及び鳥型結核菌のmalic dehydrogenase作用を抑制する實驗成績を得ている。
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