紹介
ケンブリツヂだより—日本の生理學教室の皆様へ—その2
田崎 一二
pp.276-280
発行日 1951年6月15日
Published Date 1951/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905593
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昨年の夏ヨーロッパに參りましてからずつと,皆樣にお便りを差上げることも殆んどなく過ごして來ましたことを,いつも心苦しく思つております。もう私のこんどの歐洲滯在の豫定日數も殘り少くなりましたので,私の受けたヨーロツパの強い印象が消えない中に生理學教室の若い皆樣にそれを少しでもお傳えしなければ大へん申し譯けないことだと感じ,この便りを書きます。勿論われわれの先輩の諸先生方も大ていこゝの大學へは1度や2度來られていることですから,私の受けた印象のうちのある部分は皆樣に少しも珍しくないかも知ません。しかし生理學のこの絶えまなく進で行く模樣を獨りでながめて感心していたのでは,どうも皆樣にすまないような氣が致し敢えて自分の印象をお傳えしようという積りなのです。
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