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特集 研究室で役に立つ新しい試薬
セカンドメッセンジャー関連試薬
遊離カルシウム測定試薬
界面活性剤(Pluronic F127,Cremophor EL)
Detergents, pluronic F127 and cremophor EL
唐木 英明
1
Hideaki Karaki
1
1東京大学農学部獣医薬理学教室
pp.457
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905351
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- Abstract 文献概要
Fura-2は水溶性の物質であり,細胞膜透過性はほとんどない。他方,膜透過性の高いfura-2のacetoxymethyl体(fura-2/AM)はきわめて水に溶けにくい。通常fura-2/AMはDMSOに溶かしてあるが,これを栄養液に加えると白濁し,そのほとんどが管壁に沈着する。fUra-2/AMの量を増やせばその有効濃度はある程度は増加するが,超音波の使用により溶解度の増加を計っても,その最大有効濃度は1μM以下である。この溶液を螢光顕微鏡で観察すると,fura-2/AMの大部分は直径2μm程度の顆粒として浮遊し,遠沈によりこれらの顆粒はほとんどすべて沈澱する。このような溶液を用いても,血小板,単離細胞などはfura-2/AM顆粒と接触し,これを取り込むことができる。しかし,これらの大きな顆粒は細胞間隙に入り込めないために,組織片にfura-2/AMを取り込ませることはほとんど不可能である。また1μM以上の有効濃度のfura-2/AM溶液を使用しないとその取り込みが悪い細胞も多いので,単にfura-2/AMを加えた栄養液では実験ができない場合が多い1)。
Fura-2/AMの有効濃度を増し,その顆粒を小さくするためには,比較的細胞毒性の低い界面活性剤を少量添加することが有効である。
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