特集 研究室で役に立つ新しい試薬
膜関連試薬
カルシウムチャネル関連試薬
BAY K 8644
大地 陸男
1
Rikuo Ochi
1
1順天堂大学医学部第2生理学教室
pp.418
発行日 1989年8月15日
Published Date 1989/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905334
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■構造
BAY K 8644(methyl 1,4-dihydro-2,6-dimethyl-3-nitro-4-(2-trigluromethylphenyl)-pyridine-5-carboxylate)はジヒドロピリジン誘導体の一種であり,Caアンタゴニストのニフェジピンなどと近い構造を持つ(図1),Caアゴニストである1)。分子量356.3。Bayer薬品で製造される。他に類似のCaアゴニストとしてCGP 28392,202-791のSエナンチオマーなどがある。BAY K 8644ラセミ体で(-)エナンチオマーはCaアゴニストであるが,(+)エナンチオマーは10〜50倍の濃度でCaアンタゴニストとして作用する2)。
BAY K 8644はCaチャネルにジヒドロピリジン系Caアンタゴニストと拮抗的に結合する。結合によってCaチャネルを通過するCaイオンの流入を増加する。
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