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特集 細胞内における蛋白質局在化機構
タイトル名核蛋白質の核局在化機構
The Mechanism of nuclear transport of nuclear proteins
今本 園部 尚子
1
,
内田 驍
1
Naoko Imamoto-Sonobe
1
,
Tsuyoshi Uchlda
1
1大阪大学細胞工学センター
pp.570-574
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905221
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真核生物は,その遺伝子を核というコンパートメントに包み込んだ時に進化的に原核生物と分れた。遺伝子は核という細胞質と異なった特異な環境の中で,原核生物よりもはるかに複雑な遺伝情報の発現を,高度に秩序立てて行うことができる。核が独特の環境を構築できるのは,核膜二重膜が遺伝子を細胞質から隔てているのと同時に,核膜孔を通して核内で働く蛋白質のみが選択的に核内に輸送されるためである。このことは,細胞質に微少注入した蛋白質の中で,核蛋白質のみが核内に移行するという事実からも証明されている1-3)。最近になって,核膜孔構成蛋白質や核内移行シグナル(nuclear transportsignal)の存在が明らかにされてきており,またin vitro核内輸送実験系での解析も進められている。本章では,これらの新しい知見を通して,核蛋白質の選択的核内輸送機構について考察する。
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