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特集 細胞生物学における免疫実験マニュアル
抗体の免疫化学的応用
ビオチン-アビジン酵素免疫抗体法
Biotin-Avidin enzymc immunoassay
白石 広行
1
Hiroyuki Shiraishi
1
1宮城県保健環境センター微生物部
pp.437-438
発行日 1987年10月15日
Published Date 1987/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425905039
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ビタミンの一種であるビオチンと卵白中に存在するアビジンの結合定数(Affinity Constant)は1015M−1,すなわち抗原・抗体反応の100万倍の強さで,不可逆的な反応であることが知られている。この特異性の高いビオチン-アビジン反応を,抗原あるいは抗体の検出に感度のすぐれた方法として広く使用されている酵素免疫抗体法と組み合せたのが,このビオチン-アビジン酵素免疫抗体法(BA-EIA)である。
アビジンは分子量68,000の塩基性糖タンパク質で,その1分子にビオチンの結合部位を4個もっている。そして,ビオチンが共有結合したIgGは多くのアビジンとの反応部位を持ち,反応の特異性とともに,感度をあげることが可能である。さらに,ビオチンは小分子(MW 274)なので温和な条件で,IgGのような蛋白質の生物活性を低下させることなく結合が可能であるのがビオチン-アビジン系のもう一つの特徴である。
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