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特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦
神経疾患:パーキンソン病と伝達物質の補充療法
Parkinson's disease and the supplement therapy of transmitters
永津 俊治
1
Toshiharu Nagatsu
1
1名古屋大学医学部生化学第一講座
pp.26-30
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904956
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パーキンソン病は,老人に多発する運動異常疾患で,筋肉が固くなり(筋拘縮rigidity),動作が緩慢となって(無動症akinesia),しかも静止時にふるえ(振戦tremor)が認められる。パーキンソン病が1817年に英国ロンドンの医師James Parkinsonにより始めて記載されて以来,170年間に,その病態生化学は着実な進歩をとげてきた。パーキンソン病は,脳の錐体外路系に属する黒質(緻密部)に細胞体が存在し新線条体に神経終末が分布する黒質線条体系ドーパミンニューロン系の変性に伴う神経伝達物質ドーパミンの減少が主要病態であり,"線条体ドーパミン欠乏症候群,striatal dopamine deficiencysyndrome"とも呼ばれた。このドーパミンの欠乏はL-ドーパの経口投与により補充療法が可能であり,現在パーキンソン病の中心的治療法である。
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