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特集 医学におけるブレイクスルー/基礎研究からの挑戦
神経疾患:腸管神経叢研究の片隅で
An essay on the enteric neuron research
小林 繁
1
Shigeru Kobayashi
1
1山梨医科大学解剖学教室
pp.31-34
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904957
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本稿のご依頼があった時,何故私をご指名下さったのかと思い悩んだ。そして「ブレイクスルー」と片かなで書かれた言葉の意味を英和辞典で調べた。軍隊用語であり,突破作戦だという。神経疾患に基礎医学から挑戦する突破作戦を練れと命令されたことになる。新しい山梨医大の解剖学教室の教授である私に,いかなる策略が考えられるか。神経疾患という敵の大軍団を前にして,戦わずして去ることは許されない。こちらに戦闘の意志はなくとも神経疾患は人間に襲いかかってくる。生き残りの道を必死に探さなければならない。
昭和55年4月の開学と同時に赴任してきた私にとっては,過去の7年間近くは教育者・学者としての生き残りのための戦いの毎日であった。意識はしていなかったが戦いならば戦略もあったはず。そう言えば神経科学者が「ストラテジー」という片かなの言葉で研究法を語ってくれたことがあった。
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