話題
基生研コンフェレンス「細胞運動の機構」
平本 幸男
1,2
Yukio Hiramoto
1,2
1東京工業大学理学部生物学教室
2基礎生物学研究所細胞生物学系
pp.239-246
発行日 1983年6月15日
Published Date 1983/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425904528
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
去る3月14日〜16日第11回基礎生物学研究所コンフェレンスが岡崎の基礎生物学研究所(以下基生研という)において行われた。基生研は昭和52年の開所以来,臨時事業の一環として招待者だけによる小規模な研究集会である基生研コンフェレンスを毎年約2回行ってきた。今回のものは昭和53年度から神谷宣郎教授(現在名誉教授)が中心となって始められた5箇年計画の臨時事業「細胞運動の機構」の最後の年におけるコンフェレンスであった。細胞運動の研究はわが国では諸外国にくらべても特に活発に行われている研究分野であり,従来から文部省科学研究費による特定研究や総合研究,関連諸学会でのシンポジウムなど全国的規模での集会がしばしば行われてきたが,毎年定期的にこの集会を基生研で開くことができたことは研究の発展にとって非常に有意義であった。初年度(昭和53年度)は集会のための旅費として国内研究者のものしか計上されなかったが,第2年度からは国外から研究者を招待するための旅費も認められ,各コンフェレンスごとに3〜4名を招待することができた。わが国の研究者は欧米の場合にくらべて地理的な関係から国際研究集会に参加できる機会が少なく,研究に関する情報の伝達,研究活動に対する刺激などの点で多少とも不利な立場にある。
Copyright © 1983, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.