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実験講座
螢光抗体法—アクチン,チューブリンを中心に
Indirect immunofluorescence using actin and tubulin antibodies
尾張部 克志
1
Katsushi Owaribe
1
1名古屋大学理学部分子生物学研究施設
pp.283-289
発行日 1979年8月15日
Published Date 1979/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903335
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はじめに
アクチンやチューブリン,その他の細胞骨格を形成する成分(cytoskeletal elements)の機能を研究するのに螢光抗体法がよく用いられている。螢光抗体法は電子顕微鏡ほどの解像力はないが,特異抗体により目的とする物質の同定と存在部位を直ちに知ることができる。また操作が簡便,迅速で結果の信頼性も高い。
ここでは筆者らが使用している方法を中心にアクチンとチューブリンの螢光抗体法について述べる。螢光抗体法一般の解説は他の論文や成書1〜6)を参照していただきたい。筋タンパク質に焦点をあわせた解説7)もある。一般的な注意点を一つあげると,螢光抗体法で一番大事なことはよい抗体を得ることである。よい抗体とは抗原特異性が高く,高力価の抗体である。螢光抗体法は高感度であるから,夾雑物に対する抗体が少量(もちろん沈降反応では検出されない量)混じっていても検出される場合が十分あり,判定を誤まることがある。一方,抗体価が高ければ高倍希釈することができ,それだけでも非特異螢光を弱めることができる。またコントロールにとる非免疫グロブリンの濃度も低くできる。
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