談話 コンファレンス・ディナー研究集会
明日の脳を考える(1)
久保田 競
1
,
大塚 正徳
2
Kisou Kubota
1
,
Masanori Otsuka
2
1京都大学霊長類研究所神経生理研究部門
2東京医科歯科大学医学部薬理学教室
pp.161-164
発行日 1979年4月15日
Published Date 1979/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903316
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序
コンファレンス・ディナー研究集会は,ディナーをともにした後,研究成果を直視するのではなく,少し距離をおいてながめて,神経科学のあり方などを楽しく気楽に話し合うために生まれました。
話を始める前にこの場をかりて,私が最近考えていることをいわせていただきたいと思います。日本の脳研究は,国際的なレベルに達している,世界のトップ・レベルにあるというようなことをいわれる方がおられ,また,それが不自然でない響きをもっています。果たしてそうかどうか,確かにそういう研究はいくつかあるんですが,全体として見ると私は,そうでないんじゃないかと思っております。この状態で真剣に将来の日本の脳研究のシステムとか組織とか,そういうようなことを,深く考えないでせいぜい1〜3年程度の研究を続けていったら日本の脳研究者集団はどうなるだろうか。
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