Japanese
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特集 最近の神経科学から
講義
運動単位と運動
Motor unit and movement
Robert E. Burke
1
,
渋木 克栄
2
1Laboratory of Neural Control National Institute of Neurological and Communicative Disorders and Stroke National Institutes of Health
2東京大学医学部生理学教室
pp.425-434
発行日 1978年12月15日
Published Date 1978/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903282
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東京大学で日本神経科学協会の方々を前にしてお話するのは,私にとって大きな喜びであり名誉です。日本に来たのは今回が最初ですが,文字どおり歓待に圧倒されてしまいました。この場を借りて,この旅を非常に感銘すべきものにして下さった人々に感謝いたします。
私が皆さんにざっと紹介Lたいと思うのは,過去12年間,われわれの研究室で行っていること,すなわちいろいろな運動単位群の構成に関する研究であります。われわれはとくに,ネコの二つの足関節伸筋,内側腓腹筋(MG)とヒラメ筋(SOL),の運動単位を集中的に研究してきました。というのは,これらは運動系の生理学で長年材料とされてきましたし,筋肉全体としての性質が互いに全く異なるからです。これらの作用は同じでも,つまりどちらも足関節を伸展させますが,ヒラメ筋はゆっくり収縮し,疲労しにくい赤筋の典型であり,一方,内側腓腹筋はより速く収縮し,疲労しやすい白筋の典型です。これらの差異と機能的な相関をもつ諸因子を調べることは,いまはもはや古典的なSherringtonとその弟子達の研究以来,興味の的となってきました14,16)。われわれ自身の仕事も,直接これらの先駆的業績へとさかのぼることができます。
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