話題
米国のグラントシステムについて—(その1)グラントの種類/(その2)研究システムに与える影響
長友 孝文
1
Takafumi Nagatomo
1
1新潟薬科大学理学教室
pp.222-231
発行日 1978年6月15日
Published Date 1978/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903259
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はじめに
日本の研究者が米国へ留学を希望する旨の手紙を米国の研究室に送った時,その研究室のボスから,"私の研究室は,現在グラントがないので悪しからず"あるいは,"現在グラントを申請中なのでもう少し待ってほしい"と書かれた返事を受け取った人も多いと思います。また,実際に米国に留学した際,研究者の会話の中で,"グラント"という言葉を耳にしたり,あるいは,研究室のボスが2〜3ヵ月にわたってグラント申請書の作成に神経質になっている姿に接した方も少なからずいると思います。米国においては,研究費の獲得方法が100%グラントに依存していることを考えると,グラントすなわち研究費を獲得できるか否かがその研究者の死活問題にまで発展し,研究を維持し進めるためには,日本では想像できないほどの厳しさがあると考えられます。
Public Health Scienceから発行された報告書によると,"Grant"の定義が以下のように述べられています。
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