今月の主題 凝固・線溶系の臨床1989
血栓性疾患の病態と診断
ループスアンチコアグラント
川野 晃一
1
,
池田 康夫
2
1慶応義塾大学医学部・内科
2慶応義塾大学医学部・輸血センター
pp.2366-2368
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222937
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Lupus anticoagulantループスアンチコアグラントは,初めに全身性エリテマトーデス患者血漿からプロトロンビン時間を延長させる因子として見いだされた.その後の研究で,この因子は全身性エリテマトーデス以外の患者にも存在し,陽性者は臨床症状として出血傾向ではなく,逆に血栓症を合併しやすいこと,この因子の大部分がカルジオリピンを含む種々のリン脂質に対する抗体であることが明らかにされ,さらに,抗リン脂質抗体症候群antiphospholipid syndromeという疾患概念も提唱されるに至っている.
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