話題
医者としてのNicolaus Copernicus
Witold J. Rudowski
1
,
酒井 シヅ
2
1The Institute of Haematology, Department of Surgery
2順天堂大学医学部医史学教室
pp.477-485
発行日 1974年12月15日
Published Date 1974/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903025
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コペルニクスNicolaus Copernicus(1473〜1543)の生涯は宇宙の理法と天体の運動の調和を探求し,真理を発見して中世の科学の根本的な変革をもたらした男の物語である。コペルニクスといえば有名な地動説のために傑出した天文学者として知られている。最近まで,彼が医者としても有能で,患者に親切で,職務に忠実であつたことを彼の伝記や業績を調べている者以外は知らなかつた。
医学界でのコペルニクスは"アスクレピアデスのような人だと尊敬されていた。というのは彼自身で薬物を調合し,みずから試し,彼を神のように慕う貧しい人々に薬を与え,非常に豊富な薬物の知識を身につけていた"。と歴史家シィモン・スタロフスキSzymon Starowskiがポーランドの著名人の伝記"Scriptorum Polonorum Hecatontas"のなかで述べ,さらに新しい宇宙論を立てたひととして—いまこの人物の生誕500年を祝う—医者としても優れていたが,政治家でもあり,芸術家でもあり,経済学者でもあつたと述べている2,13,15,18,23)。
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