解説講座 座談会
寄生の生物学(2)—寄生虫学の領域から
大家 裕
1
,
安羅岡 一男
2
,
田中 寛
3
,
関根 隆光
4
1順天堂大学医学部寄生虫学教室
2国立予防衛生研究所寄生虫部
3東京大学医科学研究所寄生虫部
4順天堂大学医学部生化学教室
pp.134-146
発行日 1971年6月15日
Published Date 1971/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902892
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司会(関根) 寄生現象を考えていく上で,まずはじめに問題となる,特異性とか,適合性ということについて,いろいろお話し願つたわけですが,これらのことと関連して,寄生現象の起源ということが当然興味ある問題として浮かび上つてくると思います。これに関してもお話しいただければ面白い材料をいろいろお持ちのことと思いますが,時間の関係もありますので,この問題は,他日の機会にゆずることにいたしまして,ただちに二つの生命の直接的なからみ合いつまり"二重の生物学"という意味でのhost-parasite relationという問題に入つていただきたいと思います。この問題は寄生生物学の中心的な課題ですし,特異性といい,適合性というものも,この両者の関係から押し出されてくる要素が,きわめて大きくからんでいるものではないかと思います。ただ問題がきわめて複雑になりますので,整理する意味で,大家さんまずparasite側から,ついでhost側からという順序で如何でしよう。
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