解説講座 対談
痛みの生理(1)
清原 迪夫
1
,
内薗 耕二
2
1東京大学医学部麻酔学教室
2東京大学医学部生理学教室
pp.302-307
発行日 1967年12月15日
Published Date 1967/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902751
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最近クローズアップされてきた問題
内薗 痛みの問題は最近とくにクローズアップされてきたと思うのです。この問題は,医学の本質的な問題にも結びついていますし,われわれ生理学に携わつている者でも,終局的には,そういうものの解決を目ざして勉強しているわけです。ふだんは下等動物やあるいは哺乳動物にしても,人間以外のものを取り扱つてはいますが,われわれの終局的に指向するものは,人間についての知識になるわけです。その中でも,痛みなどというのは,実は人間でなければほとんど研究できないものです。
そういう問題を清原講師は生理学を15年やつてこられて,それから,実際の臨床にそれをアプライすることで,まことにユニークなチャンスに恵まれておられるわけです。現実の生理学と,実際の臨床からみた痛みとの間には,大きなギャップがありすぎて,日常,非常な悩みを感じておられると思うのです。
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