Japanese
English
主題 筋細胞の興奮性
Ca—スパイクの生理と薬理
Physiology and Pharmacology of "Ca-Spike"
萩原 生長
1
,
中島 重広
2
,
高橋 国太郎
1
Susumu Hagiwara
1
,
Shigehiro Nakajima
2
,
Kunitaro Takahashi
1
1Marine Neurobiology Facility, Scripps Institution of Oceanography, University of California
2順天堂大学医学部生理学教室
2Department of Physiology, Juntendo University, School of Medicine
pp.25-34
発行日 1966年2月15日
Published Date 1966/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902664
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はじめに
Hodgkin18)らケンブリッジ学派の提出した,神経興奮に関する「Na学説」は画期的なものであつた。しかしながらた近年,種々の興奮性組織について「Na学説」と一見矛盾する事実が,つぎつぎと発見されてきた。その中の重要な問題の一つは,「Naなし興奮」という現象であろう。古くから,Lorente de Nóらは27,28),蛙の神経線維の興奮性が,外液のNaがない場合でも,4級アンモニウムイオンや,その他のonium ion中で,保たれているという事実を報告してきた。この系列の研究は,Koketsu22-25)らに引きつがれ,さらに最近ではTasaki,Slnger,and Watanabe43)が,巨大神経軸索灌流法という,もつとも進歩した実験法を用いて発展させた。
「Naなし興奮」に関し,もう一つの重要な局面は,二価イオン,特にCaイオンが,Naの代りに,活動電位発生の際の内向き電流を運ぶことが,数種の材料について見出されてきたということであろう(以下これをCaスパイクと呼ぶ)。
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