Japanese
English
特集 細胞質分裂
RhoGTPaseシグナル伝達系と細胞質分裂
The role RhoGTPases in cytokinesis
木村 和博
1
,
成宮 周
1
Kazuhiro Kimura
1
,
Shu Narumiya
1
1京都大学大学院医学研究科神経細胞薬理学
pp.191-197
発行日 2002年6月15日
Published Date 2002/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902394
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
細胞分裂は,核分裂とそれに引き続く細胞質分裂によってその過程を終える。細胞質分裂では,細胞の中心部に並んだ染色体の分離を伴う核分裂の後,赤道面にアクチン,ミオシン繊維を中心とする収縮環が形成され,その収縮により細胞が二分される。これは,核分裂の終了後,何らかの細胞内シグナル伝達系が動かされ,赤道面での収縮環の形成,収縮が惹起されることを示唆している。近年,このような収縮環の形成,収縮における時間空間的制御に,Rhoファミリー低分子量GTP結合蛋白質(Rho, Cdc42, Rac)に属するRhoとCdc42が関与することが明らかとなってきた。しかしながら,細胞質分裂において,Rhoの活性化がいかにして時間空間的に調節されているのか,そしてさらには活性化されたRhoが,その標的蛋白質を介してシグナルを下流へ伝達し,どのように細胞質分裂を制御するのか,その分子機序の詳細は不明な点が多い。そこで,本稿では,細胞質分裂におけるRhoの活性調節機構ならびにその標的蛋白質の働きについて,現在までの知見をふまえて述べてみたい。
Copyright © 2002, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.