特集 病気の分子細胞生物学
3.循環器疾患
動脈硬化症
上田 之彦
1
Yukihiko Ueda
1
1滋賀県立成人病センター研究所
pp.410-412
発行日 1999年10月15日
Published Date 1999/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901745
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[疾患概略]
動脈硬化症,とくに血管内膜下にコレステロールが蓄積する粥状動脈硬化症は,虚血性心疾患や脳血管障害の原因となる。このような動脈硬化性疾患は,近年の日本でも欧米並みに増加してきている。多くの疫学的研究により,動脈硬化性疾患,とくに虚血性心疾患の危険率は血清LDL値と正の,一方HDL値とは負の相関があることが明らかにされている1)。すなわち,コレステロール代謝を中心とする脂質代謝の異常が,動脈硬化の発生に直接結びつくということは現在では広く認められ,多くの研究によりその全容が明らかにされてきている。
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