今月の主題 手術適応の問題点
手術適応のカレント・トピックス
冠状動脈硬化症
北村 惣一郎
1
,
川島 康生
1
,
曲直部 寿夫
1
1阪大・第1外科
pp.1247-1252
発行日 1974年10月10日
Published Date 1974/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402205597
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はじめに
冠状動脈硬化症に対する外科的治療法は今や医学的にはもちろん,社会的にも広く認められてきており,心臓外科領域において先天性心疾患,弁膜症とともに重要なテーマとしてとりあげられている.現在,冠血行再建術の主流となっている大伏在静脈を用いた,あるいは内胸動脈との吻合による大動脈—冠状動脈バイパスグラフト移植術(Aortocoronary Bypass Graft, ACBGと略す)は,従来から行なわれていた内胸動脈の心筋内植え込み術と異なり,術後直ちに大血流量を心筋に送りうる.したがってその臨床的効果が術後早期より顕著なことが広く認められたたあに,本手術がかくも大々的に行なわれるようになったことは周知の通りである.
しかし,本手術法に関して全てが解決されたわけではなく,未だ不明な点も少なくない.そこで本論文では,現在までに確立された,あるいは確立されつつある適応と問題点について,筆者らの経験も合わせ概述する.
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