特集 受容体1997
Ⅲ.酵素活性内蔵型受容体
2.プロテインホスファターゼ
チロシンホスファターゼ受容体
緒方 正人
1
,
濱岡 利之
1
Masato Ogata
1
,
Toshiyuki Hamaoka
1
1大阪大学医学部バイオメディカル教育研究センター腫瘍発生学研究部
pp.507-512
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
チロシンポスファターゼ(PTP)は,リン酸化されたタンパクのチロシン残基を脱リン酸化する酵素で,ちょうどチロシンキナーゼと逆の作用を持つ。セリンやスレオニンを脱リン酸化するプロテインホスファターゼとはアミノ酸配列に相同性が殆どなく,同じ脱リン酸化酵素といっても全く異なっている。
PTPはチロシンキナーゼと同様,巨大な遺伝子ファミリーを構成しており,ヒトでは500種類程度にもなると推定されている。現在,一次構造が解明されているのは,50種類程度である。これらの分子はその構造から,膜貫通ドメインのある受容体型PTPと,これを欠く細胞質型PTPに大別される。多くの場合,細胞質型PTPはただ一つのPTPドメインを持つが,受容体型PTPは二つの連なったPTPドメインを有する。
Copyright © 1997, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.