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特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
血液細胞のチロシンホスファターゼ
Protein tyrosine phosphatase in hematopoietic cells
本田 浩章
1
,
平井 久丸
2
Hiroaki Honda
1
,
Hisamaru Hirai
2
1自治医科大学分子生物学教室
2東京大学医学部第3内科学教室
pp.150-155
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900901
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チロシンリン酸化酵素(protein tyrosine kinase:PTK)が細胞の増殖,分化における情報伝達機構に重要な役割を果たしていることはよく知られている。生理的な状態ではリン酸化されたチロシン残基は再び脱リン酸化を受けることから,チロシン脱リン酸化酵素(protein tyrosine phosphatase:PTPase)も細胞内情報伝達機構の制御に重要な役割を果たしていることはかねてから予想されていたが,酵素精製の困難さなどの要因に妨げられて,その研究の歴史はPTKに比べると遥かに立ち遅れていた。しかし,1988年にヒト胎盤から最初のPTPaseであるPTPase1Bが精製され,そのアミノ酸配列がヒト白血球共通抗原であるCD45と約30%の相同性を持つこと,更にCD45がPTPase活性を持つことが証明されて以来,PTPaseの研究の歴史は飛躍的な進歩をとげることになる。現在までに分子生物学的手法を用いて数多くのPTPaseがクローニングされ,その機能が明らかになりつつある。
PTPaseはPTKと同様に,その構造から大きく膜貫通型と細胞質型に大別される。
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