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特集 プロテインホスファターゼ―最近の進歩
チロシンホスファターゼとしてのCD45
Enzymatic aspects of CD45
矢倉 英隆
1
Hidetaka Yakura
1
1東京都神経科学総合研究所分子研究系微生物学・免疫学研究部門
pp.146-149
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900900
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リンパ球の活性化,増殖,分化の制御機構に重要な役割を担っているチロシンリン酸化は,チロシンキナーゼ(protein tyrosine kinase:PTK)とチロシンホスファターゼ(protein tyrosine phosphatase:PTP)とにより触媒されている。PTKに比して解析が遅れていたPTPに関する研究が本格的に始まったのは,1988年にFischerのグループにより細胞内型のPTPであるPTP1Bの遺伝子クローニングがされてからである1)。予想に反して,PTP1Bと相同性を示したのは他のホスファターゼではなく,造血系の膜貫通分子であるCD45の細胞質内領域の2ヵ所であった。さらに,CD45が実際にPTP活性を持っていることも明らかにされた2)。CD45が免疫系の制御に関与していることはすでに明らかにされていたが,これらの研究成果により,CD45の酵素学的側面からの解析が促された。このレビューでは,CD45がリンパ球のシグナル伝達をどのように制御しているのかについて,そのPTP活性との関連で考察してみたい。なお,詳細は最近の文献3を参照して頂きたい。
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