特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
14.組織特異タンパク
オボアルブミンスーパーファミリー
篠原 兵庫
1
1近畿大学医学部第二生化学講座
pp.655-656
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901032
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[構成員]オボアルブミン,チロキシン結合グロブリン(TBG),コルチゾール結合グロブリン(CBG),アンジオテンシノゲン,色素上皮由来因子(PEDF:pigment epithelium-derived factor),偏平上皮癌抗原(SCCA:squamous cell carcinoma antigen),オオムギ蛋白質Z,アフリカツメガエルEp45,ヒツジ子宮内乳蛋白質(uterine milk protein:UTMP),ニワトリ蛋白質Y
概説
ZuckerkandlとPaulingにより分子進化の概念が提出されると間もなく,Dayhoffらは世界中から蛋白質の一次構造のデータを集めて整理し,その進化を研究した。その過程でいくつかの蛋白質間の予想外の類縁関係が明らかになった。しかしそれらは予想できなかったとはいえ,得られた結論は納得のいくものであった。例えば,トリプシンとエラスターゼが共通の祖先遺伝子から進化してきたことはすぐに理解できた。そのうち結果を見てもすぐには納得できないような類縁関係がぼつぼつ見つかるようになった。その一つの例がオボアルブミンスーパーファミリーである。Dayhoffらはアンチトリプシン,アンチトロンビン,オボアルブミンの三者間にほぼ同程度の相同性を発見し,速報として発表した1)。
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