特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
7.酵素・酵素阻害剤
酵素
シアリダーゼスーパーファミリー
宮城 妙子
1
1宮城県立がんセンター研究所生化学部門
pp.483-485
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900975
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[同義語]シアリダーゼ,ノイラミニダーゼ
概説
糖蛋白や糖脂質の非還元末端からシアル酸(ノイラミン酸のアシル誘導体)残基を取り除くと,蛋白分子のコンホメーションが変化したり,分子や細胞による認識や免疫原性など,重要な生理現象が大きく影響を受ける。この反応を触媒するシアリダーゼは,“受容体破壊酵素”として最初にウイルスに発見されて以来,生物界に広く見いだされているが,その分布は一見,不規則で,系統的ではないように見える。棘皮動物から哺乳動物に至るまで動物に広く分布する一方,植物や他のほとんどの後生動物にはシアリダーゼもその基質となるシアロ複合糖質も存在しない。ところが,動物宿主に常在したり,そこで病原性を現す細菌や寄生虫にもシアリダーゼは見いだされており,また,同種属の細菌間でもその陽性率はかなり異なっている。
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