特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
7.酵素・酵素阻害剤
酵素阻害剤
プロテアーゼ阻害剤
セルピンスーパーファミリー
篠原 兵庫
1
1近畿大学医学部第二生化学講座
pp.505-507
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900984
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[構成員]α1-アンチトリプシン(AT:多くのセリンプロテアーゼを阻害するが,その中でトリプシンに対する阻害活性は最も弱い1)。そのためα1-アンチプロテアーゼ(AP),α1-プロテアーゼインヒビターとも呼ばれている),α1-アンチキモトリプシン(ACT),α2-アンチプラスミン,プラスミノゲンアクチベーターインヒビター-1および-2(PA I-1および-2),アンチトロンビンⅢ,ヘパリンコファクター2,Protein Cインヒビター,C1-インヒビター,プロテアーゼネクシン-1,コントラプシン(CP)
現在知られている構成員はおそらく百指に余り,しかも毎年増加している2)。上記は哺乳類における代表的な構成員である。現在,これら遺伝子族をどう細分化するかについては定説がない。本特集においてはプロテアーゼ阻害活性を示すものをセルピンスーパーファミリー,残りをオボアルブミンスーパーファミリーとして扱う。しかし反応部位(reactive site)の一つのアミノ酸が変異しただけで阻害活性を失う例もあり,阻害活性の有無は分子構造全体を反映してはいない。また分子系統樹をみても両者は別々のクラスターを作らない(655頁「オボアルブミンスーパーファミリー」図1参照)。つまり本特集の扱いは便宜的なものであり,最近は両者をまとめてセルピンスーパーファミリーと呼ぶことが多い。
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