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特集 ミトコンドリア
ミトコンドリア溶質輸送担体ファミリーの遺伝子構造
Gene structures of the family of mitochondrial solute carriers
島 厚志
1
,
篠原 康雄
2
,
寺田 弘
2
Atsushi Shima
1
,
Yasuo Shinohara
2
,
Hiroshi Terada
2
1㈱大塚製薬工場新薬研究所
2徳島大学薬学部生物薬品化学教室
pp.679-685
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900865
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ミトコンドリアの内膜に存在するタンパク質は,それらの機能上の特性から3つのグループに分けられる。すなわち,1)呼吸鎖と呼ばれる電子伝達系を構成して,電子の伝達とマトリックス側からサイトソル側へのプロトンのくみ出しを担っているタンパク質群,2)直接ATPの分解や合成を行い,エネルギー転換の中心的役割を果たしているATP合成酵素複合体の構成タンパク質群,3)エネルギー代謝の基質および産物を特異的に輸送することによってミトコンドリアの機能を支えている溶質輸送タンパク質群である。呼吸鎖成分やATP合成酵素複合体を形成するタンパク質が比較的広範囲の細胞のミトコンドリアに普遍的に存在しているのに対し,溶質輸送タンパク質は特定の組織に分布し,それらの特徴的代謝機能を支えているものも多い。本稿では,きわめて高い構造類似性をもちながらも,異なる溶質を輸送するミトコンドリア溶質輸送担体ファミリーについて,最近明らかになった遺伝子に関する知見を中心に紹介する。
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