特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
3.マウス・ラツト
脳内自己刺激
小野 武年
1
,
田村 了以
1
1富山医科薬科大学医学部第二生理学教室
pp.514-515
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900815
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目標
1953年,0ldsとMilnerはラットの脳のいろいろな部位に刺激電極を植え込み,レバー押しにより自分の脳を刺激する(脳内自己刺激Intracranial self-stimulation;ICSS)という実験を最初に行った1)。その後多くの研究の結果,動物が電気刺激を好んで求めようとする脳領域(報酬系)と,逆に回避しようとする脳領域(嫌悪系)の存在が明らかにされた。これら報酬系と嫌悪系は,快―不快情動や行動の発現に重要な役割を果たすと考えられ2),したがって,ICSSは情動に関する研究にきわめて有用な実験手技の一つである。
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