特集 動物の行動機能テスト―個体レベルと分子レベルを結ぶ
3.マウス・ラツト
レスポンデント実験
安東 潔
1
1(財)実験動物中央研究所前臨床研究部
pp.490-491
発行日 1994年10月15日
Published Date 1994/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900803
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目標
食物や酸などの刺激を口の中に与えると唾液分泌が生じる。また,動物に強い音刺激などを与えると驚愕反射が観察される。このように特定の刺激によって誘発される反応をレスポンデント反応と呼ぶ。さらに,このようなレスポンデント反応は中性的な刺激によって条件づけられる。すなわち,特定の刺激によって誘発されるレスポンデント反応が中性的な刺激と反復対提示されると,やがてこの中性刺激の提示のみでもレスポンデント条件反応が引き起こされるようになる。一方,特定の刺激によらずに生起する唾液分泌や,動物のケージ内での探索行動などは,レスポンデント反応と対比されるものとして自発反応と呼ばれる。ちなみに,このような自発反応が強化刺激により条件づけられたものをオペラント反応と呼ぶ。
以上のことから,レスポンデント反応には,条件づけによらないものと条件づけによる両者の反応が含まれ,これらには唾液分泌や平滑筋反応などから骨格筋の関与した行動レベルのものまで含まれるといえる。
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