Japanese
English
特集 造血の機構
リンパ球初期分化と接着分子
Early phase of lymphocyte development and adhesion molecules
喜納 辰夫
1
,
和田 勝也
1
,
桂 義元
1
Tatsuo Kina
1
,
Katsuya Wada
1
,
Yoshimoto Katsura
1
1京都大学胸部疾患研究所
pp.366-370
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900757
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多細胞生物において,細胞と細胞を接着させ,必要に応じて情報伝達を行う現象に関与する分子群を接着分子とよぶ。かつてはコラーゲン(COL)やフィブロネクチン(FN),プロテオグリカンなどの細胞外基質のみを接着分子とよぶことが多かったが,現在では細胞間の接着に関与する多くの分子が発見されており,これらも含めて接着分子と総称されている1)。リンパ球を含む種々の血液細胞は,骨髄中に存在する共通の造血幹細胞からいくつかの分化段階を経て作られる。このような血液幹細胞の分化増殖も,骨髄その他の造血組織において“微小環境”とよばれる造血の場における相互作用を通して行われる。この微小環境の中心をなすものはストローマ細胞であり,その細胞表面に発現する接着分子や,それが産生するサイトカインや細胞外基質を介して幹細胞や前駆細胞と相互作用を行う2)。
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