Japanese
English
特集 脳と分子生物学
線虫神経系の分子生物学
Molecular biology of nematoda nervous system
三谷 昌平
1
Shohei Mitani
1
1東京女子医科大学第二生理学教室
pp.170-175
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900720
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神経系はとても複雑で,神秘的な組織である。今日において,神経系の分子生物学的解析の当面の目標としては,神経系がいかにしてでき上がるのか,また,でき上がった神経系がどのように正しく機能するのかという問題に対する解答を得ることといえよう。これを研究するための一つのアプローチとしては,できるだけ単純な実験系を用いて分子・細胞生物学的な基本原則を見い出し,他の実験系との相違点と共通性の面から,より複雑な現象を考察して行く方法がある。この意味で,線虫Caenorhabditis elegans(以下C. elegansと略す)は多くの研究者の興味を惹いている。線虫C. elegansにおいても,両方の面からの研究が行われているが,紙面の制約から,本稿では筆者が現在重点を置いている神経発生のメカニズムについて,筆者自身の研究に関連の深いもののみの紹介をさせていただくことにする。より一般的な神経発生などについては他の総説を参照していただきたい1-3)。
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