Japanese
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特集 滑面小胞体をめぐる諸問題
滑面小胞体の形態学
Smooth surfaced endoplasmic reticulum.Its form and variation
山田 英智
1
Eichi Yamada
1
1古賀医学研究所
pp.636-642
発行日 1993年12月15日
Published Date 1993/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900671
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1940年代の後半,PorterはOsO4固定の培養細胞の全載標本を電顕で観察し,その薄く伸展した細胞体部分の,いわゆるendoplasm全体に拡がるレース状の網を見出し,endoplasmic reticulum小胞体(以下ER)と名付けた。ついで同部位の切片像の観察から,この網が,膜で境された細管ないし嚢の連続によってつくられていることが明らかにされた。
一方,Paladeによるリボゾームの発見から,ERがリボゾームを伴うものと,伴わないものがあることが明らかになり,前者をrough surfaced ER粗面小胞体(以下rER),後者をsmooth surfaced ER滑面小胞体(以下sER)と区別するようになった1)。rERは分泌タンパク質の合成と輸送に関与する細胞小器官として,その構造と機能についての分析は進んでいるのにくらべ,sERについては比較的遅れているといえよう。一つにはその機能が単一でないことによるのであろう。この小文ではsERの形態を概観し,細胞の種類による変異を紹介し,機能との関連について触れてみたい。
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